アライナー矯正なら何でもできる?!そのリカバリー方法について学びましょう!

歯科知識, 歯科医

昨今、『マウスピースを使った簡単でカジュアルな歯科矯正』として歯科医療者だけでなく一般の患者さんにもアライナー矯正が広く認知されてきています。

SNSでの体験談や感想、インフルエンサーによる口コミなどもネット上に多く溢れていることもあり、
患者さんからアライナー矯正に対しての質問を投げかけられることも多いのではないでしょうか。

 

この記事ではアライナー矯正とワイヤー矯正の違い、またアライナー矯正で起こりやすいトラブルと、その対処法のヒントとなるセミナーについてお伝えします。

1、ワイヤー矯正について

①矯正装置(ワイヤー、ブラケット)が目立つ

ワイヤー矯正とは歯にブラケット装置を取り付け、そこにワイヤーを取り付けることで歯に矯正力を加え、徐々に歯を移動させる矯正方法です。

ブラケットを直接歯の表面に装着するため、様々な不正咬合に対応することができます。

一方で、歯に装着したブラケットやワイヤーなどの矯正器具が金属製のため審美性が損なわれること、
それらの形状から唇や頬の粘膜に傷がついたり、金属アレルギーが懸念されるなどのデメリットがあります。

審美性を保つために歯と同じように白く塗装されたワイヤーやセラミックやプラスティックで出来たブラケットなどの種類もあり、
またどうしても矯正器具がついていることが目立ってしまう唇側ではなく舌側にブラケット装置を取り付ける方法などもありますが、
金額面がその分高くなったり、矯正期間が延びてしまうなどのデメリットがあります。

 

②汚れが溜まりやすく虫歯になりやすい

またワイヤー矯正の場合、歯の表面にブラケット装置を長期間装着したままになるため、汚れが溜まりやすいのもデメリットです。

矯正器具の周りにはワンタフトなどの補助用具を使って磨く必要がありますし、どうしても歯磨きの時間は長くなります。

そうして頑張ってケアをしていても、複雑な器具周囲には汚れが停滞しやすいため虫歯ができやすくなってしまいます。

 

これに対しアライナー矯正で使うのはマウスピースのみであり、外したい時には簡単に取り外せるという利便性と
透明で審美性を損なわないといった点から、アライナー矯正治療を選択する患者さんが増えています。

 

2、アライナー矯正について

では、ワイヤー矯正とアライナー矯正の違い、またアライナー矯正の特徴とは何でしょうか?

 

①矯正中も透明なので目立たない

アライナー矯正では透明のマウスピースを用いて矯正を行います。

装着していても目立ちにくいため、人と接する機会の多い接客業や営業職をされている方、矯正していることを人に知られたくない方にも適しています。

 

②自分で取り外すことができる

アライナー矯正の場合、自分で取り外すことができることもメリットの一つです。

装着時間は1日20時間以上とされていますが、食事の時や歯を磨く時には外すことができるため、食べにくいなど食事の制限がないこと、
歯磨きの時にはデンタルフロスを通すことができるなど利便性も高いです。

 

③装着時の違和感がワイヤー矯正に比べて少ない

アライナー矯正の場合薄いマウスピースを使った矯正のため、ワイヤー矯正と比べて違和感が少ないこともメリットの一つです。

慣れるまでの期間もワイヤー矯正と比べると比較的短時間ですみますし、発音への影響もほとんどありません。

3、アライナー矯正ならどんなことも可能なの?

ワイヤー矯正とアライナー矯正の特徴についてここまでご説明してきましたが、ではアライナー矯正にはデメリットはないのでしょうか?

一見簡単で便利そうにも思えるアライナー矯正ですが、公益社団法人日本臨床矯正歯科医会では「アライナー矯正歯科治療の留意点」として
以下のように注意を促しています。

 

①治療効果は装着時間に影響される

1日20時間以上の装着が必要

 

②適応症例が限られる

著しい出っ歯や乱ぐい歯には不適合

 

③力のかかり方がやや緩かったり歯の形に影響を受けたりする

治療期間が長くなることがある

 

④診断に使われるシュミレーション画像に、歯の根っこ部分についての情報が欠けている

矯正歯科治療の専門的知識や経験がないと、骨の中に収まる歯根まで見据えた治療ができない

 

⑤歯科医師であれば誰でも製作のオーダー、治療ができる

シュミレーション画像の適否の判断や予期せぬ歯の動きに対応するには、矯正歯科の専門的知識が必要

 

⑥咬み合わせ面を覆う形態のため、咬合高径が上がる

顎関節に負担がかかったり、また噛み締めが強いと奥歯が圧下されることがある

 

⑦保険診療には使用できない

保険が適応される矯正歯科治療(顎変形症、「厚生労働大臣が定める疾患」に起因した咬合異常に対する矯正歯科治療など)には使用できない

 

4、アライナー矯正の適応症例とは?

また、公益社団法人 日本臨床矯正歯科医会ではアライナーを用いた矯正歯科治療の適応について以下のようにも書いています。

 

①アライナー矯正が推奨される症例

1)非抜歯症例で、以下の要件を満たす症例

・軽度の空隙を有する症例

・軽度の叢生で歯列の拡大により咬合の改善が見込まれる症例

・大きな歯の移動を伴わない症例

 

2)矯正治療終了後の後戻りの改善症例

 

3)抜歯症例であっても歯の移動量が少なく、かつ傾斜移動のみで改善が見込まれる症例

 

4)金属アレルギーを有する症例

 

②アライナー矯正が推奨されない症例

1)抜歯症例

・犬歯が遠心傾斜している症例

・前歯部が大きく舌側傾斜している症例

・歯の大きな移動を必要とする症例

・大きな回転、圧下・挺出を必要とする症例

・患者の協力度が低い症例

 

2)乳歯列期、混合歯列期で顎骨の成長発育や歯の萌出の正確な予測が困難な症例

 

3)骨格性の不正を有する症例

 

5、アライナー矯正がうまくいかない!効果的なトラブルシューティング法とは?

アライナー矯正が一般的に浸透し認知されたことで、今ではアライナー矯正を行っている歯科医院も一般的となってきました。

しかし、そうした中で厚生労働省や消費者庁、国民生活センターに対しアライナー矯正を用いた不適切な矯正歯科治療による苦情や相談が増えていることも事実です。
では、このようなトラブルに対してどのように備えればいいのでしょうか?

アライナー矯正成功の「DNA」を手に入れる2日間(会場開催・オンライン開催)

今回企画させていただきました2日間の勉強会は、矯正治療の経験が浅い方だけでなく、

すでにワイヤー矯正に取り組んでいる先生方や、矯正専門医としての経験は豊富でもアライナー矯正の経験が浅い先生方にも最適です。

こんな方にオススメ!

・まだアライナー矯正に携わっていない方

・症例を扱ってきたが、シミュレーション通りに治療を進めることが難しい方

・矯正治療の基礎をしっかりと見直したい方

・ワイヤー矯正の経験を活かし、アライナー矯正を根拠をもって進めたい方

 

この2日間の勉強会では、矯正治療の基礎から失敗しないための考え方を学び、
これまでに得た経験を最大限に活かしてアライナー矯正を成功させるための知識と技術を習得できます。

さらに、先人の成功例や失敗例から学び、具体的なアプローチ方法を身につけることで、治療の精度を高めることが可能です。

アライナー矯正を新たな武器として、歯科医師としての使命を果たすための確かな自信を持てるよう、全力でサポートいたします。
 

ぜひご参加ください!

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