歯科衛生士と歯科医師の国家試験のボーダーについて

歯科医

歯科衛生士と歯科医師の国家試験は、日本において歯科医療の質を担保するために実施されています。この記事では、それぞれの国家試験のボーダーについて詳しく説明していきます。

 

1.歯科衛生士国家試験の概要

歯科衛生士国家試験は、歯科衛生士法第12条の41項に基づき、厚生大臣から指定試験機関として平成371日に指定されました。第1回試験は平成43月に行われ、以降、毎年1回行われています。

 

試験の実施については、毎年9月初旬に官報で試験の日程、会場、および受験願書の提出期限などが公告されます。

 

1-2.歯科衛生士国家試験受験資格

には、文部科学大臣が指定する歯科衛生士学校を卒業した者、都道府県知事が指定する歯科衛生士養成所を卒業した者、外国の歯科衛生士学校を卒業し、または外国で歯科衛生士免許を取得した者で、厚生労働大臣が前述の2つの資格を持つ者と同等以上の知識と技能を有することが認められた者が含まれます。

 

試験科目には、人体(歯・口腔を除く)の構造と機能、歯・口腔の構造と機能、疾病の成り立ち及び回復過程の促進、歯・口腔の健康と予防に関わる人間と社会の仕組み、歯科衛生士概論、臨床歯科医学、歯科予防処置論、歯科保健指導論、および歯科診療補助論が含まれます。

 

(平成22630日に歯科衛生士法施行規則が改正され、試験科目が変更されました。これは平成23年度から実施されました。)

 

2.歯科衛生士の国家試験のボーダー

 

問題の配点を1問題1点、合計220点満点とし、132点以上が合格となります。

 

3.33回歯科衛生士国家試験の結果速報

 

33回歯科衛生士国家試験の合格者数と合格率が発表されました。試験の受験者数は7,950人で、そのうち合格者は7,346人でした。合格率は92.4%となりました。

 

試験の配点と合格基準についても公開されています。第33回歯科衛生士国家試験では、1問題につき1点で合計220問が出題されました。合格基準は正答数が132問以上でした。

 

合格者数の多さからもわかるように、歯科衛生士国家試験は慎重な準備と学習の努力が求められます。試験の合格基準をクリアするためには、幅広い知識と理解、実際の診療における技術の習得が不可欠です。

 

歯科衛生士国家試験の合格は、歯科衛生士としての資格を取得するための必要条件です。この試験で証明される知識や技術は、患者さんの口腔健康を保つための重要な役割を果たします。

 

4. 歯科医師国家試験の概要

歯科医師国家試験は、歯科医師が備えるべき歯科医学及び口腔衛生に関する知識や技能を評価する試験です。以下に受験資格について記載します。

 

4-2.歯科医師国家試験の受験資格

 1.学校教育法に基づく大学で歯学の正規の課程を修めて卒業した者(卒業見込み者含む)

 2.歯科医師国家試験予備試験に合格し、その後1年以上の実地修練を経験した者(実地修練終了見込み者含む)

 3.外国の歯科医学校を卒業し、または外国で歯科医師免許を得た者で、厚生労働大臣が学力や技能が日本の歯科医師と同等以上であり、適当と認定した者

 4.沖縄の復帰に伴う特別措置に基づき、歯科医師免許が付与された者で、厚生労働大臣が認定した者

 

5.歯科医師の国家試験のボーダー

 

歯科医師国家試験では、歯科医師として必要な歯科医学及び口腔衛生に関する知識や技能を評価します。合格基準は毎年異なりますが、一般的には必修問題の正答率が80%以上である必要があります。また、臨床実地問題は領域A(総論)と領域B(各論)に分けられており、それぞれの平均点と標準偏差から必要な正答率が設定されます。例えば、2024年の試験では、領域A(各論)が満点94点中60点以上、領域Bが満点379点中254点以上、必修問題が満点80点中64点以上が合格基準とされました。

合格するためには、必修問題と領域A、領域Bの全てで合格基準点を上回る必要があります。また、不適切な出題があった場合には、採点除外などの処置が行われ、満点の点数が変動することがあります。

 

6.117回歯科医師国家試験の結果速報

117回歯科医師国家試験は、2024127日と28日に施行されました。試験結果は、315日午後2時から厚生労働省のWebサイトで受験地別に合格者の受験番号が掲示されています。

 

歯科医師国家試験の合格率は66.1%であり、新卒者の合格率は81.5%です。平均合格率は、国立が78.8%、公立が73.5%、私立が62.0%、認定や予備試験のその他は15.4%となっています。男女別の合格率は、男性が62.0%、女性が72.0%となっています。これは過去10年間で最も高い合格率となっています。

 

6-2.歯科医師国家試験学校別の合格者状況

合格率がもっとも高いのは「東京歯科大学」で97.7%です。ついで「昭和大学歯学部」が88.1%、「東京医科歯科大学歯学部」「大阪大学歯学部」が84.4%、「鹿児島大学歯学部」が84.1%、「長崎大学歯学部」が82.8%、「岡山大学歯学部」が82.4%となっています。

 

まとめ

学生の皆さんは今から悔いのない勉強や実習をしてください。

 

ライター

歯科衛生士

cocco

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