歯科クリニックの売り上げランキングと成功するための戦略

歯科経営, 歯科医

歯科クリニックの売り上げランキングと成功するための戦略

歯科業界は日々進化しており、クリニック経営も競争が激化しています。そこで、多くの歯科医師や経営者が関心を寄せるのが「売り上げ」です。  歯科クリニックの売り上げについて、直接的な話を先生同士ですることも少ないのではないでしょうか?

 

本記事は、個人経営の歯科クリニックの現状・近年の歯科クリニックの売り上げ平均値・売り上げを上げていくために必須事項をまとめた記事となっております。ご自身の歯科クリニックの現状把握を行うためにも、知っておくと役立つ情報になっております。最後まで、ご覧ください。

歯科クリニックの売り上げ状況とは?

近年の歯科クリニックの年間平均売り上げ状況をご存知でしょうか?

 

個人経営の歯科クリニック:4,300万円

法人経営の歯科クリニック:1億円

このくらいだと言われております。

 

この金額を売り上げようと思った場合、

⇨1日当たりの1人医療費が7,700円くらい

 

⇨1日の来院患者数は、

個人経営の歯科クリニック:23人くらい

法人経営の歯科クリニック:50人くらい

 

⇨1日の売り上げが18万円くらい

近年の歯科クリニックの平均となります。

 

年間売り上げが1億円を超えてくる歯科クリニックは、上位10%と言われております。年間売り上げ1億円まで持っていくのが難しいと言われております。この平均と歯科クリニックの現状との間にどのくらい差があるのか把握することから始まります。

 

売り上げランキング上位の歯科クリニックの共通点は何か?

売り上げの良い歯科クリニックの共通点があります。

 

①立地

②診療内容の多様化

③スタッフの育成

④マーケティング戦略

 

歯医者としての知識や技術以外のところにも力を入れていることがわかります。

①立地

歯科クリニックの場所も売り上げに関わってきます。先生の腕が良ければ、患者が来るのかと言うとそうではありません。行きにくい、通いにくいといったストレスは、いくら先生の腕が良くても集患するのは難しいです。

 

同じ診療科目を得意とする先生が集まっている地域よりは、競合が少ない地域であるかも売り上げアップに繋がります。

 

立地は今から変えることが難しいですが、地域の歯科クリニックの情報収集や競合がどのくらいの距離で歯科クリニックがあるのか調べていきます。今の現状と今後の動向をチェックしておくと、新規事業を行う際に役立ちます。

②診療内容の多様化

一般歯科だけでなく、予防・審美・矯正など幅広く診療を行っていることで、1歯科クリニックで全てを終えることができます。患者が他の歯科クリニックに行くこともなくなり、患者への提案の幅も広がるため単価アップを狙うこともできるようになります。

 

専門職で歯科クリニックを経営していくことも悪くはないのですが、コンビニよりも多い歯科クリニックの中で選んでもらわないといけません。

これからの時代に合わせて、様々な取り組みを歯科クリニックでも行っていくことをおすすめします。

③スタッフの育成

歯科クリニックは、医療であり、サービス業です。高品質なサービス提供をすることで、患者満足度を高め、リピート率も上がるでしょう。

 

「あのスタッフさんの対応が嫌だった」「優しくなかった」のように、受けた対応への不満や不快感によって患者は来なくなります。いくら先生が素晴らしい先生でも、嫌な気持ちになった場所にもう一度行きたいとはならないです。

 

スタッフ育成により、スタッフの意識も高まるため、優先順位の高い取り組みだと言えます。

④マーケティング戦略

売り上げランキング上位の歯科クリニックを目指すのであれば、マーケティング戦略は必須になります。

 

オンライン予約システムは気軽に予約が取れ、電話しなくていいというメリットがあります。また、電話対応をしなくていいため、対応で人が取られることもなくなります。


SNSの活用や口コミ対策は、無料でできることもあり、始めない理由がありません。ホームページがなかったり、更新されていなかったりすると、情報がないという不安で行かない選択肢になることもあります。インターネット時代だからこそ、歯科クリニックも存分に活用をしていくべきです。

売り上げランキング上位に入るための具体的な戦略

「これからのために、売り上げを上げていきたい。」

「経営を安定させたい」

と思うのであれば、売り上げランキングの上位「年間売り上げ1億円」を目指して、今後の戦略を考えていく必要があります。

患者満足度を高める

患者へのアンケートや口コミなどを大事にし、サービスの向上をしていきます。予約システムの利便性向上や待ち時間の短縮なども患者満足度を上げていくためには効果的なものになります。

リピート率の向上  

 定期健診やメンテナンスを行っているのに、なかなか患者の定着が悪く、歯が痛くなってから再度来院になっていませんか?

 

定期検診やメンテナンスでの患者のリピートを増やすことで、安定した経営を行っていくことができます。そのためには、患者教育をしていく必要があります。予防歯科の重要性をアピールすることで長期的な関係を築いていけるように、患者とのカウンセリングの時間を設けていきます。

 

すぐの売り上げには直結しないかもしれませんが、地道な患者教育が、患者の健康のためにも歯科クリニックの経営のためにも必要なことだと思います。

口コミとオンラインレビューの活用

GoogleレビューやSNSでの高評価を目指し、オンラインでの評判も気にしていく時代になっています。インターネット広告やSEO・MEO対策を行い、オンラインでの認知度を向上させることで、集患に繋がります。

 

看板を見て、インターネットでどんな歯科クリニックなのかを調べる患者が多いです。すぐに行ってみようとはならず、どんな先生なのかどんな治療をしているのかなどを下調べします。オンライン上に何も情報がない場合「ちょっと怖いから他の歯科クリニックにしようかな」と思う方が増えています。

 

売り上げを伸ばそうと思うのであれば、必要になってくる戦略の1つです。

今後の歯科クリニック経営における展望

歯科クリニックは、患者の要望に答えることができて成り立ちます。今後の日本や歯科業界を見据えて事業展開をしていくことで、患者の欲しいサービスを提供していくことができます。

少子高齢化の影響と対応

高齢者が増え、歯科クリニックに通院が難しい患者も増え、患者のために訪問診療を始めた先生も多いのではないでしょうか。

ただ、訪問診療を歯科がしてくれると知らない患者も多いため、通院している間に今度のお話として訪問歯科の話も話題に出してお知らせをしていきます。

 

若年層には、予防歯科の啓発活動が良いでしょう。これからの患者の健康を考えた時に、虫歯や歯周病の予防をするためにクリーニングで来院してもらうことが1番です。

 

近年、子供のう蝕率は下がってきています。「痛くなったら歯医者に行く」では、歯科クリニックに来院する子供が減ります。患者が長く通院してくれると経営的にも嬉しいですし、尚且つ患者のためになります。そういった対策をしていくことが必要になってくるでしょう。

経営者に求められる新たなスキル

医療技術だけでなく、マーケティングや財務管理、スタッフマネジメントの重要性が増してきています。外部の経営セミナーやコンサルティングサービスの利用を検討をしても良いかもしれません。

まとめ

歯科クリニックの売り上げを伸ばすためには、診療の質の向上だけでなく、マーケティングや経営の視点も欠かせません。  

成功しているクリニックの事例を参考にしつつ、自院の特徴を生かした独自の戦略を立てることが、今後の経営成功の鍵となります。

 

今までのやり方をしていると経営が厳しくなってきている歯科クリニックも見てきました。医療人としての考え方が強い先生は特に、売り上げ度外視なサービス提供が多い気がします。

 

年間売り上げが1億円になってくると、経営も安定し、余裕が出てくるそうです。個人の歯科クリニックでも年間売り上げ1億円達成し、維持しているしているクリニックもあります。

そこまでいく道のりは簡単ではないかもしれませんが、達成できない数字ではありません。

 

先生の将来や歯科クリニックの今後を考え、今の現状とこれからの売り上げを考えていくことも必要になってくるのではないかと思っています。

 

原田

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