歯科助手のための歯式の取り方と覚え方

歯科助手

歯科助手として働く際に必要なスキルの一つに、歯式(ししき)の取り方と覚え方があります。歯式とは、患者の口腔内の歯の配置や番号を示した図表のことで、診療や処置の際に必要不可欠な情報です。今回は、助手としての仕事をよりスムーズに進めるために、歯式の取り方と覚え方について詳しく解説していきます。

 

歯式の取り方

まず、歯式の取り方ですが、乳歯と永久歯のアルファベット、数字を覚えることです。 乳歯と永久歯には、それぞれ数字とアルファベットの記号があります。これらを正確に覚えておくことは、歯科助手として重要なスキルです。

 

まず、永久歯の数字の表記方法について説明します。永久歯の全ての歯には、左側から右側に向かってアルファベットが振られています。上下の歯の対応は、上の前歯から順に1から7(親知らずがある場合は8)までの数字が付けられます。以下の画像を見るとわかりやすいと思います。

 

次に、乳歯のアルファベットの表記方法について説明します。乳歯の全ての歯には、左側から右側に向かってアルファベットの記号が付けられています。上下の歯の対応は、上の歯から順にAからEまでのアルファベットが付けられます。

 

 

以上が乳歯と永久歯の数字とアルファベットの表記方法です。これらをしっかりと覚えておくことで、正確な歯式の取り方や歯の位置関係を把握することができ、効率的な治療をサポートすることができます。

 

歯式を取る意味について

歯式はなるべくリコールの度に取るようにしましょう。特に小児に関しては混合歯列期といって、乳歯と永久歯が混在している時期があります。どの歯があって、どの歯が欠損(もともとない)のか、抜けた乳歯や生えてきたばかりの永久歯を把握するためにも、歯式をとることは大切です。

 

歯式の覚え方

次に、歯式の覚え方についてです。助手としては、歯式を素早く正確に覚えておくことが求められます。以下に覚え方のポイントを紹介します。

 

1. 歯の番号と位置を覚える歯式では各歯に番号が付けられています。上顎は1から始まり、右側から左側に順番に番号が振られています。下顎は16から始まり、左側から右側に順番に番号が振られます。この番号順に覚えることで、歯の位置を確実に把握することができます。

 

 2. 歯の特徴を観察する歯は形状や色、歯冠(しごん)の大きさなど、特徴的な部分があります。これらの特徴を観察し、覚えることで歯式の記憶に役立ちます。また、歯周組織や欠損部分の有無なども歯の特徴として把握しておくと良いでしょう。

 

 3. 定期的な復習を行う歯式は時間が経つと忘れやすくなるものです。定期的に復習を行い、歯式の記憶を定着させるよう心掛けましょう。助手としての仕事に慣れてくると、自然と歯式を覚えることができるようになります。

 

 4.口内模型を使用する口内模型を使用して、実際の歯の形態や位置関係を視覚的に理解することができます。モデルに触れながら、歯式を覚える練習を行ってみましょう。

 

 5.イメージを使った覚え方歯の形態や位置をイメージすることで、覚えやすくなる場合があります。例えば、各歯の形状や特徴を具体的な物に例えて覚える方法や、歯の形状をそれぞれの数字に関連付けて覚える方法などがあります。

 

6.チームメンバーとの練習: 歯科チームのメンバーと一緒に練習することで、互いに助け合いながら歯式を覚えることができます。お互いに問題を出し合い、解答をチェックしあうことで、覚え方の確認とスキルの向上に役立つでしょう。

歯式の正確な取り方と覚え方を身につけることで、効率的な治療のサポートができるだけでなく、歯科医師とのコミュニケーションもスムーズになるでしょう。

 

 

歯式の注意!間違えたら大変

【歯科医院】歯科助手のお仕事

新人の歯科助手さんにとって、歯式は難しいかもしれません。しかし、間違えてしまうと医療ミスにつながることがあります。例えば、「左の親知らずを抜歯する」予定なのに歯列間違えで右を抜歯してしまったらどうでしょう。こんなことは絶対にあってはなりません。 また、小児の歯式も永久歯との区別が必要です。 間違えて「乳歯を永久歯」「永久歯を乳歯」と書き間違えてしまうと親御さんへの説明の際に不信感を抱かれてしまいます。特に、歯式間違いは小児の成長段階を理解してないことになりますので注意しましょう。

 

さらに歯科医師の皆様も、保険入力の際、歯式を間違って入れないよう注意しましょう。 歯式の入力間違いは、返戻の原因になります。

 

以上が、歯科助手のための歯式の取り方と覚え方についての解説でした。信頼性のある歯式の取り方を身につけ、覚え方のコツを取り入れることで、より効率的に患者の治療をサポートできるでしょう。常に継続的な学習をしていきましょう。

 

 

 

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