歯科助手にとって重要な知識は、様々な器具の名前と使い方です。本記事では、歯科処置に欠かせない器具について解説します。正しい使い方を覚え、患者さまの治療をサポートしましょう。
1.歯科助手の重要な役割と責任
歯科助手は、歯科医師のサポート役として重要な役割を果たしています。彼らは患者さまの快適な環境を作り、歯科治療のスムーズな進行に貢献します。器具の使い方や手順の理解は、助手の役割を遂行するために欠かせません。
2.覚えるべき器具の種類と役割
歯科助手が覚えるべき器具は多岐にわたります。以下にいくつかの代表的な器具とその役割を紹介します。
2-1. 基本セット
基本セットとは、全ての患者さまに使用する器具のことです。ほとんどの歯科医院では、基本セットと呼ばれパッキングされていたり、まとめて同じところに置かれている場合があります。
基本セットの中に入っているものは以下の通りです。
①ミラー(口腔鏡)
患者さまの口腔内を観察するために使用されます。歯の状態や粘膜の排除、治療の進行を確認するために重要です。
②探針
歯の表面や歯周組織の状態を確認するために使用されます。虫歯や歯周病の有無を探り、異常を見つけるのに役立ちます。
③ピンセット
細長い先端が二つに分かれた道具で、主に細かいものをつまんだり持ったりするために使用されます。
④バキューム
患者さまの口の中の唾液や水を吸い取るために使用されます。バキュームを使う際には、専用の吸引先端を患者の口の中に差し込み、適切な位置で吸引力をかけることで、口の中の液体を吸い取ることができます。
⑤充填器
歯の欠損部分を修復するために使用される道具です。具体的には、虫歯などで歯を削った後に、充填材を詰めて修復する際に使用されます。充填器を使う際には、適切なサイズと形状の充填器を選び、歯の欠損部分に充填材を詰める作業を行います。
⑥エキスカベータ
歯垢や歯石を取り除くために使用されます。エキスカベータを使う際には、専用の先端を歯の表面に当て、優しく擦ることで歯垢や歯石を取り除くことができます。
3.使用回数の多い道具
以下の道具は毎日の診療で使用回数の多い道具です。どの歯科医院でも使用する道具なので覚えておきましょう。
①スケーラー(歯石取り器)
歯石やプラークを除去するために使用される。歯周病の予防や治療に欠かせない器具。
②コントラ
麻酔や薬剤の投与に使用される。患者の痛みを最小限に抑えるために重要な役割を果たす。
③表面麻酔
治療前に患者の口腔内の特定の部位に麻酔薬を塗布する方法です。麻酔薬は、ジェルやスプレーの形で提供され、患者の歯茎や口腔内の粘膜に直接塗布されます。表面麻酔は、注射針を使用せずに痛みを和らげられます。
ジンジカインゲル20% を使用している歯科医院が多く見られます。
④浸潤麻酔
歯茎の表面に麻酔薬を注入する方法です。麻酔針を使用して、歯茎の近くに麻酔薬を注入し、神経を麻痺させます。この方法は、歯の表面や小さな治療領域に対して使用されます。例えば、虫歯の詰め物や歯の削り取りなどの処置に適しています。
主にキシロカインカートリッジを使用します。
⑤ 伝達麻酔
神経の伝達経路に沿って麻酔薬を注入する方法です。麻酔針を使用して、神経に近い位置に麻酔薬を注入し、広範囲の領域を麻痺させます。この方法は、複数の歯を同時に治療する場合や、歯の抜歯などの処置に使用されます。
⑥歯磨剤(ペースト)
歯磨剤は着色取りをする時の歯磨き粉のことです。この歯磨き粉は自宅で患者さまが使うようなものではなく、歯科専売品のもので粗さ・滑らかさなどが様々です。診療室では「ペースト取って・持ってきて」などと言われることが多いです。
⑦ エアウォーターシリンジ(エアウォーター吹き)
口内の清掃や治療時の冷却に使用される。水と空気を噴射することで、患者様の快適さを保ちながら作業を行います。
また、入れ歯や被せ物(ブリッジ・クラウン)の調整の際にもアシストがエアーをかけます。
その際は間違って水をかけないように注意しましょう。
4.道具ではないが使用回数が多いもの
①アルコールワッテ
繊維でできたワッテ(綿)にアルコールを含ませたものを指します。アルコールワッテは、手指や皮膚、器具、傷口などを消毒する際に使用されます。アルコールの殺菌効果により、病原菌やウイルスを除去することができます。また、アルコールの揮発性により乾燥が早く、手軽に使用することができるため、医療現場でよく利用されています。ただし、アルコールには火気に対する引火性があるため、取り扱いには注意が必要です。
②綿球
繊維製の小さな球状の物品です。一般的には、繊維でできたコンパクトな球状の形状をしており、主に清潔な状態を保つためや処置時に使用されます。
③ロールワッテ
歯科処置中に使用される、繊維製のロール状の物品です。一般的には、コットンやガーゼなどの繊維を円筒状に巻いた形状をしています。
主に唾液が入るのを防ぐために使用されます。
まとめ
今回は診療室で使用回数の多い道具の一部をご紹介しました。
覚えられないものや、覚えにくいものは絵を描くなどして覚えると自然と覚えられます!
歯科衛生士ライター cocco
歯科医療の現場で役立つ実践的な知識を届けるORTC
ORTCは「笑顔の役に立つ」を理念に、歯科界の知識を共有する場を目指しています。歯科医療の現場で役立つ最新の知識と技術を提供することで、臨床と経営の両面からクリニックの成長を支援します。最先端の技術解説や経営戦略に特化した情報を集約し、歯科医療の現場での成果を最大化。自己成長を追求するためのコンテンツをぜひご活用ください。
無料会員登録
無料動画の視聴、有料動画のレンタルが可能です。歯科業界についてのオンライン・オフラインセミナーへの参加が可能となります。
ORTCPRIME
今なら77%OFFの月額
2970円で、 ORTC内のすべての動画を見放題に。臨床の現場に役立つ最新の技術解説や、歯科医院経営の成功戦略を網羅した特別コンテンツをご利用いただけます。 歯科業界の方へ効率的に知識を深めていただける内容です。
ORTC動画一覧
ORTCセミナー一覧
まずは無料会員登録
こちらのリンクより会員登録ページへお進みください。
会員登録はこちら
ORTCPRIMEへのアップグレードも簡単!
登録後は「マイページ」から、ORTCPRIMEにいつでもアップグレード可能です。