混合歯列期歯周病検査について

コラム

混合歯列期歯周病検査(P混検)は、歯周病の診断や治療計画のために行われる歯科検査の一つで、 混合歯列期の患者に対して、プラークの付着状況や歯周状態などの検査を行うものです。また、Pは歯周病(Perio)を指しています。

さらに混合歯列期とは、乳歯と永久歯が混在している時期であり、歯周組織が未発達なため歯周病の進行が早くなる特徴があるため、「小児患者だから」などと簡単に考えず、歯周組織の状態を観察してあげる必要があります。

 

混合歯列期歯周病検査の検査項目

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この検査では、歯周組織の状態を評価するために、以下のような項目を検査します。

 

1. 歯肉状態の評価:歯肉の色、出血の有無、腫れや炎症の程度などを確認します。

 

2. 歯周ポケットの探査:プローブで歯と歯肉の間のポケットの深さを測定し、歯周病の進行度を判断します。

 

3. 歯垢・歯石の除去:歯垢や歯石を除去することで、炎症の原因となる細菌の増殖を防ぎます。

 

4. 歯周組織のレントゲン撮影:歯周組織の状態を評価するために、レントゲン撮影を行うこともあります。混合歯列期歯周病検査では、これらの評価結果をもとに歯周病の進行度やリスクを把握し、適切な治療計画を立てることが目的です。また、予防のための適切な口腔ケアや定期的な検診の重要性も指導されます。

 

混合歯列期歯周病検査の留意点

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混合歯列期歯周病検査を行う際には、以下の注意点に留意する必要があります。

 

1. 年齢による注意:混合歯列期は乳歯と永久歯が混在している時期ですので、検査結果の解釈や治療計画において、歯の種類や発育段階を考慮する必要があります。

 

2. 正確な検査のための協力:患者さんが検査に協力することは非常に重要です。口腔内を十分に開けてもらったり、歯磨きやフロスの使用状況について正確に報告してもらったりすることが必要です。

 

3. 歯周ポケットの測定:歯周ポケットの深さを測定するために、専用の歯周ポケットプローブが使用されます。正確な測定には力の加減やプローブの角度などを注意する必要があります。また、小児は感覚や痛みに敏感なので成人患者以上に器具の出し入れの際は注意しましょう。

 

4. レントゲン撮影:歯周病の進行具合や骨の状態を確認するために、レントゲン撮影が行われることがあります。被曝のリスクを最小限に抑えるために、必要な範囲に的確に撮影することが重要です。

 

5. 結果の解釈と治療計画:検査結果に基づいて、歯周病の進行度や治療が必要な箇所を正確に判断し、適切な治療計画を立てることが重要です。歯科医師の専門的な知識と経験を活かして、最適な治療プランを提案してもらいましょう。

 

混合歯列期歯周病検査の保険点数

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混合歯列期または乳歯列期の患者さんに歯周病検査を行った場合は、「混合歯列期歯周病検査」という点数を算定することができます。混合歯列期歯周病検査の点数を算定する際には、歯肉の状態(発赤、出血、腫脹など)、歯垢・歯石の沈着の有無、プラーク付着状況(オレリーのPCRなどを用いる)、出血(BOP)の有無の検査を行った場合に、1回につき80点を算定することができます。しかし、混合歯列期歯周病検査の点数を算定する際には注意が必要です。

 

永久歯が10歯以上萌出している患者さんにおいては、歯周基本検査を算定する方が点数が高いため、必ず歯式の確認を毎回行うようにしましょう。

 

まとめ

以上の点に留意しながら、混合歯列期歯周病検査を受けることで、歯周病の早期発見や適切な歯科衛生指導の実施が可能となります。 「小児だから、まだ歯周病は関係ない」などと甘く見ずに、すべての患者さまの歯周組織の状態を確認しましょう。

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