矯正歯科の費用はどのくらい?矯正歯科の特徴と支払い方法の種類について解説

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矯正歯科治療は、審美性の高い歯並びを実現するだけでなく、口腔機能の改善や健康維持にも重要な役割を果たします。
しかし、多くの患者様にとって、矯正治療の費用が気になるところでしょう。

本記事では、矯正歯科の費用、支払い方法、そして治療にまつわる様々な疑問について詳しく解説していきます。

矯正歯科治療の種類と特徴


矯正歯科治療には、従来の金属ブラケット、セラミックブラケット、マウスピース型矯正、舌側矯正など、さまざまな方法があります。
それぞれに特徴があるため、患者様の症状や希望に応じて最適な治療法が選択されます。

矯正歯科の費用構造


矯正治療の費用は、初診料・検査料、装置代、調整料、保定装置代などから構成されています。
これらの費用は治療方法や医院によって異なりますが、大まかな内訳を理解しておくことが重要です。

矯正歯科の平均的な費用


矯正治療の費用は、症状の程度や選択する治療法によって大きく変わりますが、一般的な相場を知っておくことは重要です。
 

・従来の金属ブラケット:30万円~100万円程度

・セラミックブラケット:40万円~120万円程度

・マウスピース型矯正(インビザラインなど):50万円~150万円程度

・舌側矯正:60万円~200万円程度
 

これらは全体的な目安であり、個々の症例や地域によって変動します。
例えば、東京や大阪などの大都市圏では、地方に比べてやや高めの傾向があります。
 

治療期間も費用に関係します。
第一に治療期間が長くなるほど総額も高くなる傾向です。

平均的な治療期間は2〜3年のようです。
軽度な症例であれば1年程度で終了することもあれば、複雑な症例では3年以上かかることもあります。
 

また、子供の矯正と大人の矯正では費用に差があることが見受けられます。
子供の場合、成長に合わせた段階的な治療が可能なため、総額が抑えられることがあります。
一方、大人の場合は骨格が固定されているため、より複雑な治療が必要になることがあり、費用が高くなる傾向があるのです。
 

具体的な費用例を挙げると、軽度な歯列矯正で約30万円〜50万円、中程度の症例で60万円〜80万円、複雑な症例や長期の治療が必要な場合は100万円を超えることもあります。

マウスピース型矯正のインビザラインは、近年人気が高まっていますが、従来のワイヤー矯正に比べてやや高額になる傾向があります。
それに対して、見た目の良さや患者様自身での着脱可能な利便性から、多くの患者様に選ばれています。

費用に影響を与える要因


矯正治療の費用は、以下の要因によって変動することが多いです。
 

・歯列の状態

・選択する矯正方法

・歯科医院の立地や規模

以下で詳しく説明しますね。

歯列の状態

軽度な歯並びの乱れから、重度の不正咬合まで、症状の程度によって費用は大きく異なります。

選択する矯正方法

従来の金属ブラケットが最も安価で、セラミックブラケットやマウスピース型矯正になるにつれて高くなる傾向があります。

治療期間長期の治療が必要な場合、それだけ通院回数や調整回数が増えるため、費用も高くなります。

歯科医院の立地や規模

都心部の大規模な歯科クリニックでは、地方の小規模医院に比べて費用が高くなることがあります。

保険適用と自費診療


矯正治療は基本的に自由診療(自費診療)となりますが、一部の症例では保険が適用されることがあります。

保険適用となるのは、顎変形症などの特定の疾患に該当する場合です。

これらの症例では、治療費の一部が保険でカバーされるため、患者様の自己負担が軽減されます。
ただし、保険適用の条件は厳しく、審美的な目的のみの矯正は対象外となります。
 

自費診療の場合、費用は全額自己負担となりますが、医療費控除の対象となる可能性があります。
年間の医療費が一定額を超えた場合、確定申告をすることで税金の還付を受けられる可能性があることを覚えておきましょう。

支払い方法の選択肢


矯正治療の費用支払いには、以下のような選択肢があります。
 

・一括払い

・分割払い

・医療ローン

・クレジットカード払い
 

それぞれの支払い方法にはメリット・デメリットがあります。
一括払いは総額が抑えられる可能性がありますが、まとまった資金が必要です。
分割払いは月々の負担を抑えられますが、場合によっては手数料が発生することがあります。
医療ローンは長期の分割が可能ですが、金利負担があります。
クレジットカード払いは便利ですが、リボ払いなどを選択すると高額の金利がかかる可能性があるので注意が必要です。

費用を抑えるためのヒント


矯正治療の費用を抑えるためのヒントをいくつか紹介します。
 

・複数の歯科医院での相談

・早期治療の検討

・治療計画の段階的実施

・キャンペーンやディスカウントの利用
 

それぞれ詳しく説明します。

複数の歯科医院での相談

数か所の医院でカウンセリングを受け、治療計画や費用の比較を行ってみましょう。
多くの医院が無料カウンセリングを実施しています。

早期治療の検討

子供の矯正の場合、早期に治療を開始することで、将来的に複雑な治療を避けられる可能性があります。

治療計画の段階的実施

費用を分散させるため、治療を段階的に行うプランを相談してみるのも一案です。

キャンペーンやディスカウントの利用

多くの医院で、定期的にキャンペーンや割引を実施しています。
これらを利用することで、費用を抑えられる可能性があります。

8. よくある質問(FAQ)


Q1: 治療途中で中断した場合の費用はどうなりますか?

A1: 多くの場合、それまでの治療に対する費用が発生します。
中断時の取り扱いについては、事前に医院と確認しておくことが重要です。
 

Q2: 追加料金が発生するケースはありますか?

A2: 治療中に予期せぬ問題が発生したり、治療計画の変更が必要になったりした場合に追加料金が発生することがあります。
ただし、多くの医院では初期の見積もりでリスクとともにかかる費用を大まかに提示していることがほとんどです。
 

Q3: 矯正治療にかかる期間と費用の関係は?

A3: 一般的に、治療期間が長くなるほど総費用も高くなります。
これは、通院回数や調整回数が増えるためです。
 

Q4: 子供の矯正と大人の矯正で費用に差はありますか?

A4: 子供の矯正の方が比較的安価になる傾向があります。
これは、成長期の子供の顎は柔軟で、治療効果が出やすいためです。
大人の場合、骨格が固定されているため、より複雑な治療が必要になることがあります。

まとめ

矯正歯科治療は長期にわたる投資ですが、適切に行うことで口腔の健康と美しい歯並びを手に入れることができます。
費用は決して安くはありません。
ですが、さまざまな支払い方法があるため、諦めるのは早いでしょう。
 

重要なのは、単に費用だけでなく、治療の質や医院の信頼性、そして自分のニーズに合った治療法を選ぶことです。
無料カウンセリングを利用して複数の医院を比較検討し、納得のいく治療計画を立てることをおすすめします。
 

また、矯正治療は長期にわたるため、治療中のケアや定期的な通院も重要です。
費用面だけでなく、自身の生活スタイルや通院のしやすさなども考慮に入れて、総合的に判断することが大切です。
 

最後に、矯正治療は医療行為です。
費用の面で不安がある場合は、遠慮なく担当医に相談してください。
多くの医院では、患者様の状況に応じた柔軟な対応を心がけています。
美しい歯並びと健康的な口腔を手に入れるための第一歩として、まずは気軽に歯科医院に相談してみてくださいね。

 

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ここまでお読みくださりありがとうございました。

 

編集・執筆

歯科専門ライター 萩原 すう

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