Universal Adhesive

間接修復についての接着 トレンドと基礎編

視聴料金
(税込)
980 レンタルする
視聴可能
講師
宮崎真至
日本大学歯学部保存学教室修復学講座 教授

こんな方におすすめ

・卒後間もない先生

・保存修復について再確認したい先生

・基礎をアップデートしていきたい先生

 

動画の紹介

臨床・研究・教育の場でマルチに活躍されている宮崎先生に保存修復に関して、臨床の現場で役立つ内容をお話しいただきました。

 

日々行っている治療も振り返ることで新たな発見や再認識もあるかと思います。

 

ぜひご覧ください。

動画内容

セメントの種類

 

歯科用のセメントの種類は大きく分けると以下の2つになります。

 

・ウォーターベースセメント

・レジンセメント

 

ウォーターベースセメントには、リン酸亜鉛セメント、カルボキシレートセメント、グラスアイオノマーセメントがあります。

 

レジンセメントは、MMA系とコンポジットレジン系です。

 

最近では、コンポジットレジン系で広く使えるレジンセメントや自己接着性レジンセメントが普及しつつあります。

 

セメントの選択は、使用目的や求められる性質によって異なり、メタル修復にはグラスアイオノマー系レジンセメント、自費診療ではプライマー併用型レジンセメントが用いられることが多いとのこと。

 

臨床の現場では知っておきたい情報ですね。

NX3 XTR

動画内で詳しく解説しています。

 

ご参考ください!

補綴診療への対応

補綴診療の多様化に伴い、セメントも様々な要求に応じた製品が開発されています。

 

メタル修復にはグラスアイオノマー系レジンセメント、ファイバーポストやCAD/CAM冠にはセルフアドヒーシブレジンセメントがあり、自費診療ではプライマー併用型レジンセメントが使用されることがほとんどです。

 

ジルコニアブリッジにはレジンセメントが推奨され、ラミネートベニアには確実な接着性と薄い被膜が求められるため、プライマー併用型レジンセメントが適しています。

 

各補綴装置の特性や臨床状況に応じて、最適なセメントを選択することが重要です。

重合開始剤バランスの重要性

レジンセメントの性能は、重合開始剤のバランスの最適化が非常に重要です。

 

光重合開始剤、デュアルキュア(光と化学重合の併用)、そして化学重合のみの3種類の開始剤があります。

 

これらの割合を調整することで、セメントの特性が決まりますと宮崎歯科医師(以下:宮崎先生)。

 

例えば、光の届きにくい部位では化学重合の割合を増やし、迅速な硬化が必要な場合は光重合の割合を増やすなど、使用状況に応じて最適なバランスを持つセメントを選択することが大切です。

レジンセメントはどのくらい使われているのか

アメリカ歯科医師会(ADA)のクリニカルエバリュエーターの情報を参考に解説してくださった宮崎先生。

 

調査によると、86%の歯科医がレジンセメントを使用しているとのこと。

 

使用方法の内訳は、トータルエッチング後にプライマーとレジンセメントを使用する方法が最も多く、セレクティブエッチングと合わせて66%を占めています

 

セルフアドヒーシブレジンセメントの使用は約20%、プライマー併用型レジンセメントも20%程度となっています。

 

アメリカでは自費診療が多いため、高い接着強さを求める傾向があります。

【例】ジルコニアのブリッジ

ジルコニアは、理論上どのようなセメントでも使用可能とされていました。

 

しかし、臨床的観点からは、レジンセメントで合着するのが最も合理的だと考えられています。

 

ジルコニアの特性と長期的な安定性を考慮すると、レジンセメントが適しているという見解が一般的とのことです。

 

この点は存じ上げなかったので勉強になりました。

【例】ラミネートベニア

ラミネートベニアの装着には、確実な接着性と薄い被膜厚が求められます。

 

これらの要求を満たすため、プライマーを併用したレジンセメントが最適です。

 

ラミネートベニアは補綴装置の中でも特に高い接着強度が要求される症例ですので、プライマー併用型レジンセメントを使用することで、エナメル質との強固な接着が可能となり、審美性と耐久性を両立させることができます

 

また、薄い被膜厚により、自然な見た目と適切な適合が実現できます。

レジン合着効果様式は評価者によって異なる

こちらもまた、アメリカ歯科医師会(ADA)のクリニカルエバリュエーターを対象とした調査によるものです。

 

レジンセメントの使用方法は評価者によって異なるとのこと。

 

最も多いのはトータルエッチング後にプライマーとレジンセメントを使用する方法で、セレクティブエッチングと合わせて66%を占めています。

 

一方、セルフアドヒーシブレジンセメントの使用は約20%、プライマー併用型レジンセメントも20%程度だそうです。

 

これらの違いは、各臨床家の経験や好みによるものと考えられます。

まとめ

臨床の場で働く者は、さまざまな合着用レジンセメントから、個々の状況に適したセメントを選択しなければなりません

 

メタル修復にはグラスアイオノマー系、CAD/CAM冠にはセルフアドヒーシブ、自費診療ではプライマー併用型レジンセメントが適しています。

 

補綴装置の種類や臨床状況に応じて、最適なセメントを選択することが重要です。

 

ぜひ臨床の場で生かして下されば幸いです。

 

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1本15分程度で構成しているので、ぜひ隙間時間にスキルアップしてみませんか?

ここまでお読みくださりありがとうございました。

 

動画の方も是非ご視聴ください!

 

 

編集・執筆

歯科専門ライター 萩原 すう

 

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