歯科医師不足の時代がくる?その背景と対策

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歯科医師や歯科衛生士の需要が高まる現代社会において、不足が心配される声が聞こえてきます。本記事では、なぜ歯科医師の不足が起こり得るのか、そしてその対策について探っていきます。

 

1. 歯科医師の背景

近年、高齢化が進んでいる日本において、歯科治療への需要は増加の一途をたどっています。しかし、現状では歯科医師の供給が需要に追いつかず、不足が生じる恐れがあります。その主な背景としては以下の点が挙げられます。

 

 

2. 健康意識の高まり

近年、健康意識の高まりによって、歯科の予防や健康維持への関心が高まっています。特に若い世代では、虫歯や歯周病の予防に積極的に取り組む傾向があります。しかし、このような需要増加に対して歯科医師・歯科衛生士の需要が追いつかない状況となっており、患者の待ち時間や予約の取りにくさが問題となっています。

 

3. 歯科医療の多様化

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近年の医療技術の進歩により、歯科医療の領域も多様化してきました。一例として、インプラント治療や審美歯科などが挙げられます。これらの専門領域に対応するためには、高度な知識や技術を持った歯科医師・歯科衛生士が必要とされます。しかし、現在の教育体制の中では、これらの専門領域に特化した教育を受ける機会が限られているため、専門家の不足が生じています。

 

4.専門人材の確保難

歯科医師は専門的な技術・知識を要する職業であり、その育成には時間と費用がかかります。そのため、新たな専門人材の確保は容易ではありません。

 

5. 就業環境の厳しさ

歯科医師は、厳しい労働環境に置かれていると言われています。長時間労働や残業が多い、仕事とプライベートの両立が難しいなどの理由から、若い人たちがこの職業を選ばない傾向があります。また、給与水準も他の医療職と比べて低いとされており、魅力的な職業として認識されていないことも要因の一つと言えます。

 

6. 専門教育の重要性の認識不足

歯科医師は専門的な知識・技術を要する職業ですが、その重要性についての認識が不足しているとされています。一般的な医師と比べても注目度が低く、若者の間での認知度が低いことが、人材不足を招いている一因と考えられます。

 

7.歯科大学の閉校

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歯科大学の受験者数が減り、過疎部では歯科大学の閉校が相次いでいます。

そのため、都市部の歯科大学に受験が殺到し、倍率が高くなりますが、受験に合格しなかった人が過疎部の歯科大学を受けることなくそのまま歯科大学以外の大学に流れるケースも多いです。

「過疎部の大学でもいいから歯学部を受験する!」という人が増えたら、将来的な歯科医師不足にならないかもしれません。

 

歯科医師不足に対する対策

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現状を打破し、歯科医師の不足を解消するためには、以下のような対策が必要です。

 

多角的な人材確保策の実施:大学や専門学校と連携し、将来的な歯科医師の育成に力を入れる必要があります。また、海外からの人材の受け入れや戦略的な採用活動も有効な手段です。

 

労働環境の改善:労働条件の改善は、歯科医師の人材確保を促進する重要な要素です。働きやすい環境の整備や労働時間の見直し、報酬の適正化など、働く魅力を高める取り組みが必要です。

 

- AIテクノロジーの活用:歯科技術の進歩に合わせて、診療の効率化や品質向上に役立つ最新の設備やシステムの導入が求められます。これにより、歯科医師の負担が軽減されると考えます。

(例えば、補綴物をAI技術を用いて作る、初診時の問診はAIにさせるなど)

 

今後の展望

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歯科医師の不足が深刻化することで、歯科医療の品質やアクセス性に問題が生じる可能性があります。この問題に対応するためには、以下の点に取り組む必要があります。

 

歯科医師の育成体制の強化:専門領域に特化した教育機関の充実や、専門的なスキルを磨くための継続教育の充実などが必要です。

 

-教育制度の改善

歯科医師や歯科衛生士の育成において、現行の教育制度の改善が求められます。専門性を高めるためのカリキュラムの充実や、実務経験の重視など、より実践的な教育環境を整えることが必要です。

 

労働環境の改善

長時間労働や過度な残業を抑制し、労働環境を改善することも重要です。また、給与水準の見直しや働き方の柔軟化など、魅力的な職場環境を提供することで、若者の就業意欲を高めることが期待されます。

 

-知名度向上と啓蒙活動

歯科医師の重要性を広く知ってもらうために、啓蒙活動が必要です。学校教育や広報活動などを通じて、若者に対してこの職業の魅力や将来性を伝えることが重要です。また、社会全体で口腔ケアの重要性を啓発し、口腔衛生の意義を広める必要があります。

 

 

まとめ

「歯科医師を目指したいけど金銭的に厳しい」という方には授業料免除の対策や、奨学金再度の見直しなどを積極的に行なったら、若い世代の歯科医師不足が解消されるかもしれません。

いずれにせよ、一般の方は「歯医者=怖い」と思っている方も多いため、歯科医師の仕事内容を若い世代に伝えることはとても大事だと思います。

 

歯科衛生士ライター 西山

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