2024年11月30日(土)、12月1日(日)の両日、赤坂インターシティにて待望の第二期Aligner矯正の『Key Point』セミナー2daysが開催されました。このセミナーは、
昭和大学特任教授である槇宏太郎先生に登壇をいただき、アライナー矯正の最新技術と知識を深く学べる貴重な機会として、多くの先生方から注目を集めていました。今回のセミナーは第一期に引き続き、多くの受講者から熱い期待と関心が寄せられました。
今回のセミナーには、長年矯正治療に携わり高い実績を持つベテラン歯科医師から、これからアライナー矯正を取り入れたいと考える初心者の歯科医師まで、幅広い層の先生方が参加されました。これにより、受講者同士の意見交換や情報共有が活発に行われ、各自の経験や立場に応じた気付きや学びが得られる非常に充実した時間となりました。
今回のセミナーでは、新たにZOOMを用いたリアルタイム配信が導入されました。また、都合が合わずリアルタイムで受講できない方や遠方で東京への参加が難しい方々にも対応できるよう、アーカイブ配信も行われました。この新しい形式は、多忙な日々を送る歯科医師にとって大変好評であり、多くの方が便利に学べる仕組みを提供したことで、さらなる参加者の拡大にもつながりました。
セミナーの中で最も印象的だったのは、槇宏太郎先生が一貫して強調された「患者さんの発するヒントを見逃さないこと」という言葉です。
「なぜ、この患者さんの歯並びはこうなったのか?」
「どうすれば、この患者さんの歯並びを改善できるのか?」
これらの問いを常に念頭に置きながら、患者さんの声や表情、そして生活背景をしっかりと観察することの重要性を繰り返し説かれました。患者さんの悩みや希望に寄り添いながら、その解決策を導き出すプロセスを楽しむ姿勢が、矯正治療の成功の鍵であると語られたのです。
しかし、槇先生はただ「楽しむ」ことを推奨しているわけではありません。「楽しむ」ためには、それを支えるための確かな知識と技術が必要です。今回のセミナーでは、その「楽しむためのヒント」となる具体的な指導や実践的なノウハウが惜しみなく提供されました。槇先生の講義を通じて、多くの受講者が「学びながら楽しむ」姿勢の重要性を改めて実感したことでしょう。
槇先生が繰り返し語られたのは、矯正治療そのものが非常に「ワクワクする」ものであるということです。患者さん一人ひとりの症例に向き合うことで、歯科医師としての使命感を高めるだけでなく、治療の幅を広げ、専門家としての成長を楽しむことができるのが矯正治療の魅力だと話されました。
その言葉に、受講者の先生方の目が輝いていたのが印象的でした。「矯正治療は、患者さんの人生を変える素晴らしい手段であり、それに携わる我々歯科医師は常に新たな挑戦を楽しみ、成長し続けるべきだ」といったメッセージは、多くの参加者に強い共感を与えました。
今回の講義の中で槇先生がスライドに用いた一文が、多くの受講者に深い印象を残しました。
「アライナーは何でもできる魔法の装置ではありません。しかし、何もできないワイヤー矯正に劣る装置でもありません。適応症例に正しく使うことができれば、国民のニーズに十分に応えることが可能となります。現在は、その途上にあります。」
この一文には、アライナー矯正の現状と可能性が凝縮されています。アライナー矯正は確かに便利で多くの可能性を秘めた装置ですが、それを正しく扱わなければ患者さんにとって最良の結果は得られません。
一方で、従来のワイヤー矯正に全ての症例で劣るわけでもありません。それぞれの治療法には適応症例があり、その特性を正しく理解し、使い分けることで、患者さんの期待に応えることができるのです。槇先生のこの言葉は、アライナー矯正の未来に希望を持つと同時に、歯科医師としての責任を改めて問いかけるものでした。
槇先生の講義を通じて、多くの受講者が学んだのは「正しい知識を持ち続けること」と「挑戦を楽しむ姿勢」です。アライナー矯正は進化を続けており、歯科医師自身も常に学び、成長し続けなければなりません。技術を磨きながら患者さんに寄り添い、最良の治療を提供する姿勢こそが、矯正治療における理想的なあり方だと感じさせられる内容でした。
また、受講者同士のコミュニケーションや情報交換を通じて、同じ志を持つ仲間とつながることができた点も、参加者にとって大きな収穫だったのではないでしょうか。
今回の『Key Point』セミナーは、単なる技術の習得だけではなく、矯正治療に対する姿勢や考え方を深める貴重な機会となりました。槇先生の言葉や実践的なアドバイスに触れたことで、多くの歯科医師が「矯正治療」というフィールドの奥深さと可能性に改めて気付き、情熱を高めたことでしょう。
患者さんの笑顔を引き出す治療を追求するために、私たち歯科医師は知識と技術を磨き続けることが求められます。そして、それを学び楽しむ心を持つことこそが、私たちに与えられた最大の使命ではないでしょうか。
次回のセミナーがどのような形で開催されるか、今から楽しみでなりません。
先生はなぜ矯正治療を始めましたか?
様々な思考の中、先生自身インビザラインをはじめとした、アライナー矯正の導入に踏み切ったのだと思います。
現在では、どなた(一部矯正治療経験が必要となる装置もあります)でも、メーカー主催のセミナー受講を行えば治療ができるようになりました。
また、矯正専門医の先生の中でもアライナー矯正の経験を積まれる方が増えており、患者さん自身もインターネットを通じて勉強し、自分はワイヤーがいいのかアライナーがいいのか、そこを起点にクリニック選びをしていることも多くなっております。
矯正治療の今後について
最近では成人の矯正だけでなく、小児矯正においてもアライナーが用いられるようになり、ますます矯正治療なくして今後の歯科医院経営は成り立たないのではと危惧される先生も増えております。
アライナー矯正に対する疑問
しかし、アライナーは万能なのか?どんな症例でも治せるのか?と疑問を持っている先生も多くいらっしゃると思います。
結論から言うと、科学的な観点からも、得意な症例と不得意な症例は明確に分けられます。さらには、Drの診断力や経験、道具の選択など、ある一定の条件も必要です。
正確な診断と治療の提供
正確な診断と、先生自身が患者さんに適した道具を選択できることで、スムーズな治療提供は可能です。
予防歯科の観点においても、その一番手は矯正治療となることも容易に想像がつきます。
経営への影響
正確な治療ができることで、経営面においても大きな影響を及ぼします。治療期間が長引けば、それだけ患者さんより預かった治療費から粗利益が減ってしまいますし、患者さんのモチベーションにも影響を及ぼしますので、起こっては欲しくありませんがクレームへと発展しかねません。矯正治療の正確性はコスト抑制にもつながりますので、矯正学を学んでおいてマイナスなことはありません。
2日間の勉強会について
主にGPの先生向けに、矯正治療の基礎から失敗しないための考え方、先人が経験してきた良い経験悪い経験から学んだこと、知識と経験から最適なアプローチ方法について学び、矯正治療の精度を高め、一人でも多くの先生がアライナー矯正に対するネガティブなイメージを払拭され、歯科医師としての使命を全うできるようサポートさせていただければという思いで実施いたします。
<セミナー名> | Aligner矯正の『Key Point』2Days |
<日時> | 2024年11月22日(月)~ WEBコンテンツ配信(受講申込者のみ) 2024年11月30日(土)10:00~17:00(会場・オンライン配信) 2024年12月1日(日)10:00~17:00(会場・オンライン配信) |
<会場> | 赤坂インターシティコンファレンス(赤坂インターシティAir 3F) |
<ハイブリッド配信> | 会場参加、ZOOMミーティングどちらでもご参加いただけます |
<アーカイブ録画配信> | 12月31日まで視聴可能 |
<受講料> | 363,000円(税込) |
<特典> | ①受講者へは受講証の進呈をいたします ②セミナー終了後の症例相談会へ参加いただけます ③受講後のアライナー治療に関するサポートを限定で実施予定です |
<お支払い方法> | 銀行振込 |
<定員> | 30名(会場参加可能人数) |
<講義内容> | 【暗記ではなく、考えることを楽しみましょう】 <WEB配信の内容> 30分 × 3コンテンツ Ⅰ.矯正治療の意義/他院では言わない,知られざる重要性 Ⅱ.生体力学で考える『顔の診方』/症例難易度と直結する「顎顔面の診断法」 Ⅲ.危険な症例 その発症メカニズム 絶対に見逃してはならない兆候 <11月30日、12月1日 対面式セミナー> Ⅳ. 経営戦略上の初診相談の重要性/意思決定に直結する相談への応答 Ⅴ. 症状別 矯正治療の概略 Ⅵ. 症状別の診断と治療のフロー/時系列で全ての症状を網羅する流れ Ⅶ.歯の移動のバイオメカニクス/確実に知っていなければならない矯正の10のKey Point Ⅷ.知っていて損はないワイヤー矯正の概略/抜歯症例の標準的な術式とワイヤー矯正の利点・欠点 Ⅸ.アライナー治療の基本/アライナー治療の特殊性、利点と欠点/シミュレーション修正時のPoint/アライナー治療の質と安全性と高めるための具体策 Ⅹ.アライナーの力学/アタッチメントよりも効率的に傾斜を防ぐ方法/アライナーの種類による大きな違い Ⅺ.問題症例から考える/抜歯診断もしくは固定源の設定に問題があった症例/患者協力度に問題があった症例/治療長期化の原因 Ⅻ.アライナー治療に特有の現象/臼歯部の垂直的スペースの様々な原因/前歯部リトラクション中のバイトとトルクコントロール不足 ⅩⅢ.症例供覧/叢生, 上顎前突, 下顎前突, 開咬, インプラント補綴の各症例における非抜歯、遠心移動、拡大、4/4抜歯の実例 ⅩⅣ.リカバリー方法の全て/圧下や挺出など垂直的な移動の補助と遅延のリカバリー/水平的な移動の補助とリカバリー/部分的なDBSと顎間ゴムの利用法/特殊なリカバリー方法 ⅩⅤ.新しい概念のシミュレーションとHybrid法の紹介、 これからのアライナー矯正 |
<申込方法> | 申込フォームよりお申込みください |
<申込締切日> | 2024年10月31日(木)23:59まで |
セミナー担当講師:昭和大学 特任教授 槇 宏太郎 先生
本セミナーの講師として、昭和大学特任教授の槇宏太郎先生をお迎えしました。
槇先生は長年にわたり矯正治療に従事し、
多くの矯正専門医の育成に貢献してこられました。
アライナー矯正に関心が高い皆様と共に、
矯正治療に関する様々な課題を解決するために、
槇先生のご指導をいただけます。
ご経歴
1984年 昭和大学歯学部卒業
1989年 昭和大学大学院歯学研究科修了(歯学博士)
1995年 昭和大学歯学部歯科矯正学講座講師
1998~1999年 UCSF客員教授(San Francisco,USA)
2003年 昭和大学歯学部歯科矯正学講座主任教授
2011年 Basel大学客員教授(Basel,Switzerland)
2013年 早稲田大学理工学術院客員教授
2013~2019年 昭和大学歯科病院長
2019年 昭和大学歯学部長,昭和大学理事
2023年4月〜 昭和大学特任教授, 昭和大学歯科病院院長
2001年~ アジア地区初のInvisalignを導入※インビザラインが日本で広まるきっかけを作られたのは槇先生の尽力によります
2016年~ 日本のアライナー矯正治療をより安心・安全に普及させるため、「日本アライナー医療研究会」を発足
槇先生より受講者へコメント:
誰でも簡単にできると思われがちなアライナー矯正ではありますが、患者さんとドクターの両者から相談を受ける機会がたいへん増えております。さらには、歯科医師会や消費者センターへのクレームや問合せも多くなっております。
これからの時代を担う先生は、様々なバイアスに惑わされることなく、アライナー矯正の利点と欠点を熟知した上で、国民により良い矯正治療を供給して頂ければと願います。その方が、永い目で見ればより豊かな成功を収めることにもなります。
ご存知のように、国家資格を得るための勉強だけでは実際の矯正治療は難しく、企業の導入セミナーで紹介されるチャンピオンケースだけを見てもあまり役には立ちません。
そして、何百症例に達したという医院の宣伝よりも、「何例をきちんと治せたか」が最も大事です。
社会はすでにこの点に言及し始めております。(2024.8.8 DIAMOND online 参照)
したがって、まだ我々には、困難であった治療過程や失敗した原因を学ぶことにこそ意味があります。どうぞこの状況に気付かれてください。
槇先生による著書及び共著、編著された出版物
●失敗しないアライナー矯正
出版日:2024/3
出版社:デンタルダイヤモンド社
A4判変型・168頁・オールカラー
購入ページ
●顎顔面のバイオメカニクスとアライナー矯正 バイオメカニクス矯正診断学 コンピュータ支援矯正学アライナー矯正学
出版日:2023/2
出版社:医歯薬出版
総頁数:288頁 / カラー
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●アライナー矯正のリカバリーテクニック
出版日:2021/11
出版社:医歯薬出版
総頁数:208頁 / カラー
購入ページ
●症例でわかる 歯科矯正用アンカースクリュー活用術
出版日:2019/11
出版社:医歯薬出版
総頁数:374頁 / カラー
購入ページ
●正しく使おう! アライナー型矯正装置
出版日:2019/4
出版社:デンタルダイヤモンド社
A4判変形・164頁・オールカラー
購入ページ
●歯科矯正学 第6版
出版日:2019/1
出版社:医歯薬出版
総頁数:456頁 / カラー
購入ページ
●新 矯正歯科概論
出版日:2015/7
出版社:クインテッセンス出版
A4判 / 140ページ
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●大づかみ矯正歯科臨床シリーズ 知りたい・聞きたい矯正歯科Q&A
出版日:2012/5
出版社:クインテッセンス出版
A4判 / 136ページ
購入ページ
〇このセミナーでは何を学ぶのか?
すでに、先生たちが診療時に患者さんの顔や口腔内から得ている感覚(印象)はかなり正確なのです。
しかし、その臨床医としての印象を実際の治療に活かす『感覚と知の連携』がうまく機能していないことが多くあります。
例えば、この患者さんは、顔もがっちり、咬合力が強そうで骨も硬そうだ、と感じることはできますが、そこから矯正治療の困難な場面を予測して何を準備しなければならないかを考えるまでの過程ができておりません。
それは、暗記ばかりをせざるを得なかった教育にも問題があります。
このセミナーでは、まずその点をひっくり返すために、『考える』訓練をします。
〇アライナー矯正は、どのような失敗が多いのか?
・矯正単独では治せない症例をスタートしてしまった
・シミュレーションと違って、いつまでもゴールにたどり着けない
・臼歯部が咬めなくなってしまう
これらが代表的な例になります。
〇なぜ矯正治療が患者さんにとって必要なのか?
予防の観点から日々のケアがしやすくなる
見た目の改善によって日常の生活に活力が生まれる
歯の位置だけでなく、歯槽骨の形状を整えられる
〇アライナーは魔法の道具ではない
誰でも歯科医師であれば矯正治療は可能ですが、道具に頼るのではなく、先生自身が道具をどのように使用するかで治療の結果は変わります。
そのためには、失敗した際の対策と失敗しないための知識を持っていれば不慮な事故に出くわすことなく多くの患者さんの笑顔をもたらすことが可能です。
〇他の勉強会やセミナーとの違い
あらゆる営業バイアスや出版バイアス、画像処理を施すような不正を排除しております。
成功した症例ばかりではなく失敗の詳細な分析を正直に供覧することで、個々の生体に適合した動かし方を考え、精度の高い治療計画を立てることを可能とします。
理由を明確にした上で、出来るものはできる、ダメなものはダメ、とはっきりお伝えします。
全て科学的な根拠と臨床結果に基づいた資料を提示して、ほんとうのKey Pointを分かりやすくお伝えします。
<セミナー受講に関するQ&A>
Q. どうしても日程が合わないため、アーカイブ配信で受講したいです。
A. 誠に申し訳ありませんが、本セミナーにおいてはアーカイブ配信の予定はありません。ぜひご都合を併せていただければと思います。
Q. オンラインでのリアルタイムの配信は無いですか?
A. 誠に申し訳ありませんが、配信の予定はございません。会場にお越しいただきたくお願いいたします。これは槇先生からの皆様の質問に充分にお応えしたいという希望によります。
Q. 助成金などは活用可能でしょうか?
A. 本セミナーでは助成金の活用も可能です。ORTCの担当者よりご説明をいたしますので、助成金を活用したいと思う方はお尋ねくださいませ。
Q. まだ矯正治療を経験してないのですが、受講は可能ですか?
A. 矯正治療を始めていない先生こそおすすめのセミナーです。事前に知識及び考える力を身に付けていただくことで、先生のこれからの治療に対するアプローチは良い変化が起こると思います。
Q. 現在受け持っている症例の相談などは可能でしょうか?
A. セミナーの進行状況によりますが、槇先生も皆様の現在のお悩みを解決したいという思いをお持ちです。相談の時間につきましては調整できればと思います。
Q. 他の勉強会及び年間コースに参加してますが、受講は可能ですか?
A. 決して安い参加費ではないですが、受講は可能ですし、今参加されている勉強会にも活かせる内容になっていると思います。